『映像を思い浮かべる』技術って、『速読』の技術だよね
ウィンドバードさんの興味深い記事。非常に面白い切り口。
『小説を読むとき、その映像を思い浮かべる』って、『速読』に必要な技術ですね。
『映像を思い浮かべる』ことのできる人は、多分、速読をする下地を持っていると思いますので、
速読の本をいくつか紹介してみますね。
と、その前に、『映像を思い浮かべる』ことが何故、速読につながるのか説明してみます。
簡単に説明すると、文章を読むときの脳の動きはこうなります。
- 視神経が脳に『信号』を送る。
- 脳が『信号』を『画像』として認識する。
- 脳が『画像』を解読して『意味ある文字列』として認識する。
- 脳が『意味ある文字列』を『映像』に変える。親記事で言うところのGeneratorの仕事。
普通に読む人は『1→2→3』
映像に変換できる人は『1→2→3→4』
親記事の『小説を読むとき、その映像を思い浮かべることができるか?』は、
『1→2→3』か『1→2→3→4』のどっちかってことですよね。
速読というのは、このどちらでもなく『1→2→4』と行く技術です。
『1→2→3→4』といく速読もありますが、僕の体験談から言うと、そのやり方2000文字/分が限界です。
3000文字/分を超えるには、『1→2→4』と行くのが必須です。
ちなみに、日本人の平均読書速度は400〜800文字/分と言われています。
僕はまだ勉強中ですが、下記で紹介する本を基に、5000文字/分になりました。
あ、速読の本って何が書いてあるかっていうと、だいたいこんなこと。
色々と有るので本屋で探してみると良いかも。ただ、トンデモ本もあるから注意が必要。
↑あ、これ俺にも出来るかも
- 唇を動かしたり脳内で音読したりする癖を無くすだけで、だいぶ速くなるよ
- 脳トレーニングの問題集を解くことにより、脳をパワーアップすれば本を読むのも速くなるよ
- 眼の周りの筋肉を鍛えて、視線移動の速度を上げよう(速読アプリケーションによく収録されている。画面上で移動する点を追いかけていくやつ)
- 周辺視野を広げて、一度に認識できる文字を増やそう(速読アプリケーションによく収録されている。画面上の四角が大きくなっていくやつ)
- 難しい単語を沢山覚えよう
- サプリメントを採ることにより、速く読める脳を作ろう
- 呼吸法を覚えたり、五感を鍛える事により、脳のパワーアップをして本を読む速度を上げよう
- 斜め読み・8の字読み・2行読みなど、速く読む技術を身に付けよう
- 本を速く捲る訓練をすれば、読む速度も速くなるよ(車で100km/hを出した後で60km/hで走ると遅く感じる。遅く感じれば、景色を詳細に把握できる。つまり、本を速く捲った後に遅く捲ると、平常時よりも理解力が上がる)
- 速聴を覚えれば、速読もできるようになるよ
- 本を文字ではなくイメージで認識しろ
- ページを開くと、イメージが光になって脳に流れ込んでくる
- 宇宙の波動を感じ、宇宙と一体化することにより、本を閉じたままでも内容を理解できる
- 速読を覚えたら性格が明るくなって、学校でのイジメが無くなりました。成績も上がりました。彼女が出来ました。家庭の雰囲気もよくなってきました。父の年収も上がりました
- テレパシーや未来視を使えるようになる
↓えっと、宗教の勧誘?
下の方は冗談だと思うかもしれないけど、本当に書いてある本がある。
前置きが長くなったけど、速読の本を紹介しますね。
- 作者: 七田眞
- 出版社/メーカー: ロングセラーズ
- 発売日: 2002/07/01
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 13回
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僕が持っているのとは表紙のレイアウトが若干違うが、タイトルや著者は同一。
この本には、教師が板書する内容を先読みしたり、テレパシーで外国語を瞬時に翻訳するとか、書いてある。
かなりうさんくさい。波動を感じて宇宙と一体化したり、テレパシーを身につけたり、未来を視る本。
閉じたままの本を理解するとか書いてあったかもしれない。
思わず壁に叩きつけたくなる逸品。当然、読書速度は上がらない。
笑いのネタとして読むには楽しい。
オススメ:☆
速読する技術―「視覚脳」を鍛えれば本がいままでの10倍速く読める!
- 作者: 栗田昌裕
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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栗田氏は速読の本をいろんな出版社から何十冊も出しているけど、殆ど内容は同じ。
タイトルに偽りあり。技術の紹介はありません。
うちが経営している速読教室(授業数回で数十万円)に来れば、10万文字/分いけますよ、って宣伝ばかり。
一応、速読を紹介しているし、技術に触れているんだけど、けっきょく、スクールに来いって結論。
速読とは何かを知るには良いかもしれないけど、読書速度は上がらない。
オススメ:★
- 作者: 松田真澄
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2005/09/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 99回
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脳トレーニングゲームのような感覚で速読の訓練が出来る。けっこう遊べる。
速読体験談が多少は誇大広告気味だけど、掲載しているトレーニングはまとも。
予備知識がないと、何でこのトレーニングで速読効果があるのかと疑問に思うかもしれないけど、多分、けっこう良いトレーニング。
トンデモ臭さはない。最近流行の脳トレーニングで遊ぶくらいのつもりで気楽に手が出せる。
並行していろいろ試していたから何ともいえないけど、多分、読書速度が上がった。
オススメ:★★★
速読トレーニング―すぐに役立つ実践10ステップ (ブルーバックス)
- 作者: 佐藤泰正
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/08/10
- メディア: 新書
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効果は薄いが、堅実な効果を得られる。
この本で紹介されていることを実践すれば、おそらく1000文字/分はいける。多少厚いし文章がつまらないし、トレーニングが退屈なことが難点。
書いてあることはマトモ。トンデモ臭さが最も薄い。
いま手元に無いから何ともいえないけど、確かこの本に、人間が1分間に何文字認識できるかとか科学的な数値が書いてある。
オススメ:★★★
脳のメカニズムなどが割りと詳しく載っている。
- 作者: 橘遵
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2002/05
- メディア: 新書
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トレーニング方法は、本書のが一番良い。
『1→2→3→4』と行くパターンの速読である、8の字読みの方法など、実践的な技術が載っている。
即効性のある速読技術を身に着けるには本書が最適。これを読んだから、2000文字/分を突破できたと思う。
最も読書速度の上昇を実感できる本。
直接的ではないにしろ、この本で紹介しているトレーニングを積むと、『1→2→4』の技術もついてくる。
一番役に立った本。
オススメ:★★★★★
色々あるので自分にあう本を探してみると良いかも。
とりあえず、『1→2→4』の速読が出来るようになると、こうなる。
GOSICKなら、マルグリット学園で陽のぬくもりを感じながら四季の色が非常に綺麗に目に浮かぶ。
芝生の上を走るリスの毛並みまでくっきりと見えます。ヴィクトリカの小さな身体がフリルを揺らす仕草も見えてきます。
狼と香辛料なら、ホロの尻尾がふさふさとなびく様子や、耳がそわそわ動く様子が見える。桃のはちみつ漬けを想像して涎をたらすジュルリって音が聞こえてきます。獣形態のときは獣特有の生臭さも匂う。
9Sなら、浮上したスフィアラボの上を飛行要塞フリーダムへ向かって闘真が駆け抜けるシーンが非常に綺麗に思い浮かびます。足元の金属質な硬さや塩水の滑り心地や、海風を感じます。海の青さやフリーダムの威容は夢に見るほどです。
キノの旅の「レールの上の三人の男」では、
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=29799
文章を見た瞬間、こういう場面が脳で再生されている。
どの作品でも映像が綺麗に浮かぶわけではなく、これらの作品が特に自分の読み方にあっているらしく、
非常に綺麗な映像が思い浮かんだ。
よく、速読をすると本の内容を完全に把握できないのではと、悪いイメージを持つ人がいるそうですけど、そんなことないです。
むしろ、短時間で読めるので、最初の頃のシーンを忘れにくく、印象も強く残っていたりします。
映像を理解するだけでなく、文法のおかしいところなども気づくので、文章としても理解できています。
さて、『1→2→4』って行くためのトレーニングは、実は無料で簡単にできます。
先ず――
●『涼宮ハルヒの憂鬱で読書速度が上がる』に続く。