ドラキュラやきん! (電撃文庫)
ドラキュラが夜勤するという、実に分かりやすいタイトル。
主人公はコンビニ店員。
コンビニ店員ならではのシーンはあるが、ブラック労働環境で苦しんでいる人を描く暗いお話ではないので、安心して読める。
シリアスな危機もあるが、残念系のヒロインが場を明るくしてくれるから嬉しい。
物語を作る上で「性的な意味で枯れている主人公は不利」かと思えば、ヒロインの行動力でカバーするし、特に後から登場する和風少女の行動はラブコメちっくで、物語に潤いが生まれている。
「え、それ一巻で明かしちゃうの? 今後の『引き』じゃないの?」というような主人公の過去を明かしてしまい、どうするのかと思えば、ヒロインの過去や境遇で興味をスイッチさせていく構成が上手い。
コミカルとシリアスがいい塩梅に混ざった作品なので、万人受けしやすいと思う。
「なろう系しか読まん」みたいな人以外に、広くオススメ。
内容だけでなく、タイトルも良かった。
吸血鬼を意味する言葉として使われているけれど、ドラキュラはあくまでも人名。
ヴァンパイアではなく、ドラキュラにしたのは、語感を良くするため。
「ヴァンパイアやきん」と「ドラキュラやきん」では確かに、ドラキュラやきんの方が発音しやすい。
それと、主人公の名前が言葉遊びになっている。
さらに本作の後半で「ドラキュラ」でなければならない理由が窺えてくる。
ドラキュラはルーマニア語で「竜の息子」を意味する(竜は悪魔という意味もある)。
とあるが、欧州はローマ帝国という広大な帝国があったことや、国境を外国と接していることもあって、各国の言語には同じ意味の単語が存在する。
ドラキュラは「ドラクのウラ」を意味し、国によってはドラクは竜ではなく、悪魔そのものを意味する。
つまりタイトルは主人公が「悪魔の子」であることを示唆している。
一見するとカタカナとひらがなだけで構成された緩いタイトルだけど、物語の根幹になる設定が仄めかしてある。
俺じゃなきゃ、見逃しちゃうね。
「やきん」もひらがなで書いてあるので、きっと何か意味があるはず。
もしかしたら「やきん」で切れるのではなく、「ドラキュラや、きん」なのかもしれない。
友達のお姉さんと陰キャが恋をするとどうなるのか? (ダッシュエックス文庫)
欝展開はないので安心して読めるラブコメです。
明るいノリのラブコメを読みたいときにオススメ。
高校生主人公と大学生ヒロイン(親友の姉)の関係がどう変化していくのかを楽しむ物語。ヒロインは主人公にベタ惚れなんだけど、そのことを主人公だけは気付いていないという、おいしい設定。
主人公はヒロインから嫌われていると思いこんでいるけど、傍から見ればイチャイチャ状態。
作品のかなり早い段階で「主人公とヒロインが最終的にどうなるのか」という結末を明かしている。
つまり本作は「主人公とヒロインは恋仲になるのか」や「誰とくっつくのか」といった部分ではなく、
「どうやってくっつくのか」という部分に焦点を当てている。
さらに前後に分かれたエピソードの前半が終わるときに、本来であれば「ラブコメの焦点が当たる部分」の結末が提示される。
「結末を想像させて、わくわくさせて楽しませる」面白さではなく「シチュエーション勝負」の作品でした。
特に素敵なシチュエーションが、前半と後半にある。
玄関あけたら2分でおっぱい。
2分経っているかどうかは分からないけど、玄関を空けたらすぐに女の子のおっぱいと接触するチャンスがあるというのはいいことですね。
あるシーンがちょっと不自然に感じたけど、あとがきで納得。
漫画動画という原作があったのですね。
Youtube漫画動画が原作なら、小説版を読んでいてシチュエーション勝負の作品と感じた理由にもなっとくです。
原作漫画動画にはないエピソードが小説版には追加されているので、原作ファンには特にお勧めです。
浮遊世界のエアロノーツ 飛空船乗りと風使いの少女 (電撃文庫)
過去(秘密)を抱えた少女アリアと、彼女を庇護する男の物語。
少女と男の年齢は離れているし、少女目線の明るい雰囲気で話が進むので「男との二人旅はちょっと……」という人も安心して読めます。
世界設定で最も重要な部分を最初の一ページで紹介しているのが上手い。
主人公目線での疑問にすることにより、世界設定の特異さを受け入れやすくする工夫がなされている。
キノコという小道具を使って、登場人物の性格を早い段階で提示していることも相まって、物語に早い段階で没入できる。
いや、しかし、男のやらかしたことについては、ドン引きする。
ドン引き感情をヒロインと共有できるから、身近に感じられていいですね。
短編集の形式を取っており、一つ一つのエピソードを書きながら、全体を通しては「少女の記憶」と「男の過去」という『謎』で、興味を惹く形式を取っている。
第一話では、「自分が持っているパソコンや電子書籍リーダーが、作中の鏡や帽子みたいなことになったら、どうかな」と妄想する楽しみができる。
謎解きは「登場人物の人数からして、**が犯人」みたいな「メタ的な予想」で読んで外れて、さらに真相で捻ってあるから、気持ちよく期待を裏切られた。
第一話の島の設定だけで一冊作れそうなのに、なんと一話限りの設定だった。贅沢な設定の使い方をしている。
問題は第三話。
読んだ人の中で物議を醸しそう。
小説としては、エピソードの締めくくりに捻りがあるし、少女の心を揺さぶる良い展開です。
でも、
『幼女だけは辛い目にあわせてはいけない連盟』一員の僕、困惑。
「小説としての狙い」は分かるけど、それでも、それでも――!
『幼女だけは辛い目にあわせてはいけない連盟』の人は、第三話がハッピーエンドなのかバッドエンドなのか是非とも読んで確かめてください。
あとがきのあとにも本文があるので、電子書籍で読んでいる人は注意が必要。
捕捉。
本作に限った話ではないのですが「あとがきのあとの本文やおまけ」は、存在に気付かけないので、苦手です。例えば、漫画だと、「裏表紙やカバーの次のページに、店舗特典のペーパーが収録されている」なんてこともあるんですけど、これ、偶然気づければ運がいいくらい。多分、気づかないままの作品が大量に有る。
紙の本なら後ろに紙があることが分かるのですけど、私が使っている電子書籍リーダーだと残りページ数を表示できないので、あとがきの後ろの存在に気付かないまま、閉じてしまいます。
作品の一覧ページで99%読了という状況を確認できるけど「残り一ページは宣伝だから見る価値なし」なので、わざわざ見ようとしません。
今回はたまたま、最後のページの次に勝手に出てくる『この商品も買ってね!』ページを表示したくて、最後まで見ようとしたから偶然「あとがき後の本文のエピローグ」に気付けたけど、普段は気付けない。
タタの魔法使い2巻 2018年8月10日発売
とらのあなさん
https://ec.toranoana.jp/tora_r/ec/item/200011902086/
有償でタペストリーが付いてくるVerもあります。
書き下ろし短編ペーパーはタペストリー付きVerでも通常版でも貰えると思います。
ちょっとエッチなノリの、食糧エピソード。コメディ。
桜川さんがメイン。
アニメイトさん
書き下ろし短編ペーパーが貰えます。
将来の夢『週に一度でいいからアニメイトに行きたい』という夢を書いた子のお話です。
ギャグ寄せのコメディ。
アニメイトさんで貰える電撃アニメイト冊子にも、書かせていただいております。
メロンブックスさん
メロンブックさんでも書き下ろし短編ペーパーが貰えます。
本編には載せられないノリの百合コメディ。栗田さんと鳥巣さんがメイン。
ゲーマーズさん
書き下ろしペーパーは、えっちなノリの百合コメディ。
島本さんと宇喜多さんがイチャイチャするお話。
Amazonさん
ウルズチーム勢揃い
先週のクルツ機に続き、残りのウルズチームも作ったぞ!
フルメタル・パニック! アーバレスト Ver.IV 1/60スケール 色分け済みプラモデル
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フルメタル・パニック! ガーンズバック(マオ機) Ver.IV 1/60スケール 色分け済みプラモデル
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3期勢揃い! ライフルは以前作ったうーぱーリキッド(金属っぽい質感が出ると自画自賛している塗料)でウォッシングしたぞ。
バンダイのガシャプラ(100円4つ入れて回すカプセルトイ)のスコープドッグも作った。同スケールなので並べてみた。結構良い感じに塗装できた。合わせ目の処理とか隙間とか、もっと丁寧に組み立てればよかった……。
しかし、これ、同じくらいの大きさだと思っていたけど、こんなに差があるんですね。
モビルスーツと比較すると、この差。足下にいたら気付かずに踏みつぶされそう。