義妹生活【電子特典付き】 (MF文庫J)
「主人公とヒロインが同居する」物語を、どのように表現しているのか、最近のラブコメの流行を知る上で非常に参考になった。
先ず、主人公に嫌みなところがなく、実に「良い奴」として描写されている。「オタク読者に媚びるための、過度なオタク趣味アピールのような設定」も控えめ。意外と珍しいタイプの主人公の気がする。
ヒロインとの距離感も、ありそうでなかった。同級生の女子高生で、互いに一線を引いている。
その一線を、積極的に狭めるわけではなく、「距離を置いた同居生活の中で、自然と近づいていく」ところを楽しみながら読めた。
同居ハーレム系ラブコメのような、ラッキースケベはないし、ヒロインが露骨に好意をアピールしてくることもない。
皆無というわけではなく、特にラッキースケベに関しては、かなり描写控えめにしてある。
「最近の読者はエロい展開を嫌う」というのを、また、思い知らされた。
根本的なところで、あれなんだけど、本作のジャンルは何なんだろう。
ライトノベル(ラブコメ)とライト文芸の中間にあるような、雰囲気。
この空気感、覚えておきたい。